「リラックスしていますか?」そう聞かれて、即答できる人は意外と少ないのではないでしょうか。私自身も、以前は「たぶん大丈夫」「休んでいるつもり」と思いながら、実は体の奥ではずっと力が抜けていなかったように感じます。
ホテルスパで働くようになってから、自律神経という言葉に触れる機会が増えました。その中で特に印象に残ったのが、副交感神経がきちんと働いているときに現れるサインです。
今回は、知識として知っただけでなく、自分の体で「あ、これなんだ」と実感した出来事について書いてみたいと思います。

体がしっかり休めている(副交感神経が働いている)ときのサインがありました。
副交感神経は「静かな働き者」
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は活動や緊張の神経、副交感神経は休息や回復の神経とよく説明されます。
副交感神経はとても静かに働くため、「今、副交感神経が優位ですよ」とは分かりにくい存在です。リラックスしているはずなのに、どこか落ち着かない。休んでいるのに、疲れが抜けない。そんな感覚を持っている人は、実は少なくありません。
副交感神経が働いているときに現れるサイン
副交感神経のサインには次のようなものがあります。
- 呼吸が自然と深くなる
- 肩やあごの力が抜ける
- 眠くなる、まぶたが重くなる
- 手足が温かく感じる
- お腹が鳴る
この中で、私が特に「なるほど」と思ったのが、お腹が鳴るというサインでした。
トリートメント中に起きた、意外な体験
ある日、自分自身がスパでトリートメント(マッサージ)を受ける機会がありました。その日は特に空腹というわけでもなく、施術前に軽く食事も済ませていました。
施術が始まり、ゆっくりとしたリズムで体がほぐされていく中、呼吸が自然と深くなっていくのを感じていました。頭の中も静かになり「何も考えていない」状態に近づいていった頃です。
突然、ぐう…と、お腹が鳴ったのです。
正直、少し驚きました。「お腹空いてないのに?」「恥ずかしい・・・」そんな考えよぎりましたが、セラピストに「副交感神経が働いているのですね」と優しく教えていただきました。

さすがプロのセラピストですね

お腹が鳴る=消化が動き出したサイン
副交感神経が優位になると、体は「休息・回復モード」に入ります。その状態では、消化器官の働きも活発になります。つまり、お腹が鳴るという現象は、「安心して、体が本来の働きを取り戻しているサイン」なのです。
空腹とは関係なく、今まで緊張で後回しにされていた内臓の働きが、ようやく動き出した結果とも言えます。そう理解した瞬間、恥ずかしさよりも、「ちゃんと休めているんだ」という安心感のほうが大きくなりました。
自分は思っていたより緊張していた
この体験を通して気づいたのは、自分ではリラックスしているつもりでも、体はずっと頑張り続けていたということでした。
日常生活では
- 無意識に呼吸が浅くなっている
- 常に次の予定を考えている
- 体を休めているつもりでも、頭は働き続けている
こうした状態が当たり前になっていたのだと思います。トリートメントという安心できる環境で、ようやく副交感神経が前に出てきた。その結果として現れたのが、「お腹が鳴る」という、とても分かりやすいサインでした。
副交感神経が働くと、心も変わる
体の変化だけでなく、心の状態にも変化がありました。
- 「ちゃんと休めている」という感覚
- 何かをしなきゃという焦りが消える
これは、気合いや努力で得られるものではなく、体が安心した結果、自然と起こる変化なのだと感じました。
リラックスは頑張って作るものじゃない
以前の私は、「リラックスしなきゃ」「整えなきゃ」と思うほど、逆に緊張していたようです。でも、副交感神経のサインを知ってからは、考え方が変わりました。
- 眠くなる
- 呼吸が深くなる
- お腹が鳴る
これらはすべて体が安全だと感じている証拠なのです。
副交感神経は、目に見えません。でも、体はさまざまな形で「緩んでいる」と教えてくれます。もし、「お腹が鳴って恥ずかしい」「眠くなるのは良くないこと」。そう思っていたとしたら、少し見方を変えてみてほしいなと思います。それは、体がやっと安心できたサインかもしれません。
副交感神経のサインを知るということ
この体験以降、私は「整える」ことに対して、とてもやさしくなりました。無理にコントロールするのではなく、体のサインに気づき、受け取ることを大切にしています。
副交感神経が働くサインを知ることは、自分の体を信頼する第一歩なのかもしれません。今日もどこかで、あなたの体は小さなサインを出しているはずです。それに気づけたとき、心と体はきっと少し楽になるのでしょう。


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